にゃんこ心理士の社会の真理

にゃんこ心理士が社会の真理を綴ります。

天才!サヴァン症候群とは

f:id:cat-psychologist:20201122111932j:plain

 

 今回は天才と言われるサヴァン症候群についてお伝えしていけたらと思います。
 サヴァン症候群は1988年に映画『レインマン』がヒットして、世間への関心が高まることとなりました。

 サヴァン症候群サヴァンしょうこうぐん、英語: savant syndrome)は、知的障害や自閉症などの発達障害等のある人が、その障害とは対照的に優れた能力・偉才を示すこと。また、ある特定の分野の記憶力、芸術、計算などに、高い能力を有する人を示します。ICD-11コードではF84.9 特定不能の広汎性発達障害に分類されます。

 そして、天才とは、天性の才能、生まれつき備わった優れた才能(生まれつき優れた才能を備わった人物)のことです。天才は、人の努力では至らないレベルの才能を秘めた人物と一般的にされています。

 

 神経・精神医学的に考察すると、多くの天才は、精神障害に苦しんでいることが研究で分かっています。

 例えば、
 フィンセント・ファン・ゴッホ、トルクァ-ト・タッソ、ヴァージニア・ウルフジョナサン・スウィフトジョン・ナッシュアーネスト・ヘミングウェイ、クルト・ゲーテル、ゲオルク・カントール、ノーバート・ウィーナー、アイザック・ニュートン、フリドリッヒ・ニーチェ、フリードリッヒ・ヘルダーリン、二コラ・テスラ、などが挙げられます。

 ドイツの病跡学 者のヴィルヘルム・ランゲ=アイヒバウムは天才300人から400人を選び、そのうち一生に一度でも精神病 を患った人は12~13%であるという数字を発表しました。さらに、その中から「特に有名な」天才中の天才というべき78人を選ぶと、精神病の人は37%、精神病的な人は83%以上に及ぶと発表しました。健康な人は6.5%しかいなかったとのことです。

 有名なフィンセント・ファン・ゴッホの逸話では、自画像を描く際に「自分の耳が邪魔だ」と言って自ら耳を切り落とした、といったものがあります。ゴッホてんかんもしくは統合失調症を発症していたと言われており、精神病や薬物への逃行など環境からのストレスによって引き起こされたとされています(もっともゴッホの場合、メニエール病を発症しており激しい耳鳴りのせいで耳を切ったという説もあります)。

 では、サヴァン症候群の話に戻りましょう。


 サヴァン症候群とされる最初の症例は、イギリスの医師ジョン・ランドン・ダウン(英語: John Langdon Down)が1887年、厖大な量の書籍を1回読んだだけですべて記憶し、さらにそれをすべて逆から読み上げるという、常軌を逸した記憶力を持った男性を報告したケースと言われています。

 その天才的な能力を持つにもかかわらず、通常の学習能力は普通である彼を「idiot savant」(イディオ・サヴァン=賢い白痴、フランス語)と名付けました。

 ただし、彼が自閉症の診断基準を満たしている記述は論文には存在していません。論文上には「他の学習能力は通常である」と記載があるのみです。後に「idiot(白痴)」が差別的な意味を持つことから「サヴァン症候群」と改められました。

 日本では、新渡戸稲造著の『修養』(明治44年、1911年刊行)「総説」の頁において、新渡戸氏がサヴァン症の米国の少年と会話をした記録が記述されています。

 それによると、新渡戸氏が米国の白痴院を訪れた際、「談話をした少年が普通人の遠く及ばぬ見識を懐いていて、専門家さえ舌を巻くがごときことをし、中でも驚いたのは、数学で非常に偉いものがあること」「(彼は)算盤も一本の筆も用いないで正確な数字を答えた」と記し、例として、「79万3625に9万9673を乗ぜよと命じると、ただちに791億298万4625と答え、僕は3、4分かけて計算して答え合わせをした」と述べられています。

 サヴァン症候群の原因は諸説ありますが、現在でその原因の特定には至っていません。脳の器質因にその原因を求める説が有力ですが、自閉症自閉症スペクトラム障害)のある人が持つ特異な認知をその原因に求める説もあります。

 中枢神経疾患によって、後天的に能力を発現する場合もあり、これは獲得性サヴァン症候群と呼ばれます。なお、自閉症発達障害、コミュニケーション障害のある者の全ての人が能力を持っているわけではありません。

 信州の特別支援学級での調査によれば、ほとんどのサヴァン症候群児童は男性であり、これは自閉症児が男性に多いことに関係していると推察されています。

 実際には症例により各々メカニズムが異なり、同じ症例は二つとないという考えもあります。

 広義には、障害にもかかわらずある分野で他の分野より優れた(健常者と比較して並外れているわけではない)能力を持つ人も含めることもあります。

 また、いわゆる天才や偉人の多くは円満な人格者ではなく、中には日常生活に支障が出る症状の人、時に自閉症やコミュニケーション障害に近い症状の人もおり、それがさらに極端になって「紙一重」を超えたのがサヴァン症候群だという見方もあります。

 サヴァン症候群の能力としては、主に記憶能力、カレンダ一計算(Calendar calculating)、数学・数字能力(Mathematicaland number skills)、音楽、美術、機械的能力又は空間的能力(Mechanicalor spatial skills)などがあります。

 サヴァン症候群の児童で最も多い能力は「記憶」に関する能力で、次に多い能力が「カレンダー計算」となっています。

より具体的な例としては、以下のようなものがあります。

「ランダムな年月日の曜日を言える(カレンダー計算)」
 ただし通常の計算は、1桁の掛け算でも出来ない場合があります。        (簡単なカレンダー計算は軽度知的障害がある自閉症の10人に1くらいはできるとされているのでほとんどの場合はサヴァンではないとされています)

素数と約数を瞬時に判断できる」

「航空写真を少し見ただけで、細部にわたるまで描き起こすことができる」
(映像記憶)

「書籍や電話帳、円周率、周期表などを暗唱できる」
(内容の理解を伴わないまま暗唱できる例もあります)

「並外れた暗算をすることができる」

「音楽を一度聞いただけで再現できる」

「語学の天才で数カ国語を自由に操る」

 この他にも様々な能力(特に記憶に関するもの)が認められていますが、対象物が変わると全く出来なくなってしまうケースが多く見られます(航空写真なら描き起こすことができるが、風景だとできない、など)。

 サヴァン症候群の解明は今後、脳神経医学や神経・精神医学の発達とともに徐々に進展していくと考えられます。

 現在の状況からは「天才」と神経・精神医学又は神経・精神病は密接な関係があるのではないかなと感じざるを得ません。

 個人的な仮説ではありますが、健常者と言われる群と神経・精神病と言われる群で明らかに違いが生じているのは病的体験とそれらに基づく、認知の違いです。

 アーティストが覚醒剤などの薬物を用いて創作活動をしているのも、覚醒剤を使用した後の薬物使用体験が神経・精神病患者の病的体験に近いからともいわれています。

 ひょっとしたら、彼ら(覚醒剤使用者は除く)には私達とは違う二次的、三次的な認知の仕方をしていて、飛びぬけた能力を発揮しているのかもしれません。

 そして、それはこの先、何十年かで解明されることになるかもしれません。