にゃんこ心理士の社会の真理

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本当に問題が解決するのだろうか?「あだ名禁止」は逆効果かもしれない!

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 今日のTwitterの話題で、クラスメートを「あだ名」で呼ぶことを禁止する「あだ名禁止」の対応を取る小学校が増えている、と言うのがありました。

 禁止の理由はイジメにつながるから…だとのこと。しかし、「あだ名禁止」の対処で本当にイジメはなくなるのでしょうか。

 心の専門家としての個人的な見解は「あだ名禁止」の対処では、イジメはなくならない。と結論を出さざるを得ないです。むしろ、表面化しないイジメや陰湿なイジメが増加して子ども達の自殺者数が増加することも懸念されます。

 また、子ども達の心の健全育成の阻害要因とならないかも...と懸念してしまいます。

 子どもは成長の準備をしながら、徐々に成長していきます。これを成長の「レディネス」と言いますが、子どもの社会生活に無理やり大人の理論で「あだ名禁止」を持ち込んだりすれば、子どもの社会生活や成長過程に歪みを生じさせてしまうのではないでしょうか。

 そもそも、イジメとは生物学的にみても消失することはないと考えています。他者との関わりのない世界があれば別ですが。

 問題の本質として大切なのは「イジメはなくならないもの」なので、表面化することや、大人達の耳障りの良い呼称を強制するのではなく、イジメにあった時の「対処技能」の獲得を優先することだと感じています。

 では、「対処技能」とは何でしょうか。イジメの被害者には、
① 離れる
② 伝える
③ 考える
④ 解決する
 が「対処技能」になると思います。少し詳しく掘り下げていきましょう。

① 離れる
 イジメられているその場から早く離れることで、イジメの被害を最小限に抑えることができます。

② 伝える
 自分がイジメられている事実を信頼できる人に相談します。一般的には家族や友人、担任の先生が該当しますが、児童相談所のカウンセラー等にも気軽に伝えられる仕組みが必要かと思います。イジメの問題を抱えている子どもは、周囲に信頼できる人間がいないケースがあることが散見されるからです。

③ 考える
 どうして自分がイジメられたのか、どうしたら解決できるのかを考えます。

④ 解決する
 同じ人間にイジメられないように考えた方法を実行して解決を図ります。

 子ども達は、こういった体験を繰り返していくことで自分の問題解決能力を高め、大人になった時に他者の攻撃的な言動を回避できる能力を身に付けることができると思います。

 しかし、こういった環境を作るのは、行政の抜本的な改革も必要だと思います。
 
 不思議に思うのですが、学校のイジメの問題はどうして、加害者への対応が甘くなってしまうのでしょうか。加害者の保護者への配慮も必要だからでしょうか。

 イジメ被害者が通学できなくなり、フリースクールに通うというケースをよく聞きますが、加害者をフリースクールに通わせて、そのフリースクールでイジメられたら元の学校に戻れる、なんて制度があればイジメの総数が減るのではないのかなと思います。


 参考までに、2018年度の1年間に自殺した小中学生と高校生は332人となっています。2017年度と比較すると82人増え1.3倍の増加となっています。

 内訳としては小学生5人、中学生100人、高校生227人で男女別では、男子193人、女子139人となっています。

 一方で、自殺の要因をみていくと、家庭の問題が41人、親などの叱責が30人、進路の悩みが28人、イジメが9人となっていますが、194人は不明となっており全体の6割を占めています。

 イジメの問題は自殺だけではないですが、イジメ以外の自殺も、子ども達の周囲に信頼できる大人がいれば防げていたケースも多いのではないかなと思います。

 イジメは社会から決してなくなることはありません。イジメとは、マズローの心理学的に言えば、「承認欲求」や「自己実現の欲求」の一つの形であり、全ての人間にイジメをする可能性があると言うことです。
 
 
 
 

 イジメがなくなることがないのであれば、早期発見と早期解決を図るだけだと思います。

【こころの独り言】
 なんか、最近、教職のいいイメージってないですよね。( ;∀;)
 つい最近は、児童に性的犯罪をした人間を再就職させない運動とかもしてましたよね。

 ふと、思うのは私達が子どもの頃は、先生って尊敬の象徴であり、部活で体罰もありましたが、親は特に何も言うこともなく、私自身も疑問に思いませんでした。

 何で、こんな社会になってしまったんでしょうか。(; ・`д・´)
 
 誤解を恐れずに言えば、「イジメなんて、なくならない」「自殺者だって一定数存在する」、そんなの先生の責任じゃないんです。統計学なんですよね(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

 だから、悪い先生や、悪い政治家や、悪い会社員は統計学上、一定数どこでも存在していて、職業を責める必要はないんですが、教師は責められすぎな気がします。

 尊い職業だから、ネガティブな行為が表面化したらバッシングが多いのかもしれませんが、教師も人間です。良い先生、悪い先生、犯罪を犯す先生、そりゃいますよーって。

 何で、こんな社会になってしまったんでしょうね。教師の再就職や、なんちゃらの問題よりも教育委員会なくせばいいって思うの私だけでしょうか。(´Д⊂ヽ

 「踊る大走査線」ではないですが、事件は現場で起きてんだ(/ω\)

 独り言が長くなりましたが、「あだ名禁止」でイジメはなくなりません。むしろ逆効果で、子どもの健全育成の阻害要因となります。

 イジメはなくならないので、解決手段の裁量を教師に持たすなり、他の仕組みを作るなどの対処が大切だと思います。

 教育委員会なんて実務経験もない有識者の判断は要らない。

 教師の裁量を増やして、賞罰を明確化したうえで、任せる!
 任せる!
 任せる!
 それが、結構大事たと思います(*^^*)